11月5日 決算特別委員会

議事
(1)付託決算の審査
  ア 報告第1号 令和2年度墨田区一般会計歳入歳出決算
  イ 報告第2号 令和2年度墨田区国民健康保険特別会計歳入歳出決算
  ウ 報告第3号 令和2年度墨田区介護保険特別会計歳入歳出決算
  エ 報告第4号 令和2年度墨田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算
   以上4件を一括して議題に供した後、10月27日及び29日の委員会において決定された追加要求資料については、既に配布している旨、了承願った。
   その後、総括質疑を行った。質疑終了後、すみだの絆、立憲民主党墨田区議団及び日本共産党からの申出により、委員間討議を行った。
   その後、本日の会議を終了し、8日(月)午後2時から委員会を開会し、意見開陳及び採決を行うこととした。
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             会議の概要は、次のとおりである。
                              午前9時00分開会

○委員長(佐藤篤) 
 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 早速議事に入ります。
 付託決算の審査を行います。
 報告第1号、報告第2号、報告第3号及び報告第4号の各会計決算、以上4件を一括して議題に供します。
 初めに、10月27日及び29日の委員会において、自由民主党及び日本共産党からそれぞれ要求のあった資料については、既に配布いたしました。なお、これで全ての資料が提出されましたので、ご了承願います。
 本日は、総括質疑を行います。
 順次、質疑を承ります。

○委員長(佐藤篤) 
 ただいまの発言の取消しにつきましては、記録を調査の上、委員長において措置させていただきますので、ご承知おき願います。
 休憩前に引き続き、順次質疑を承ります。
 新しいすみだの質疑を行います。

◆委員(井上ノエミ) 
 まず、款別でもお伺いしましたが、トリフォニーホールの改修に関して伺います。
 この改修には50億円と大変なお金が必要ですが、国や東京都からの助成金は期待できるのでしょうか。もしあるなら、大体の金額を教えてください。

◎地域力支援部長(関口芳正) 
 施設改修のための国及び都の助成金は、現時点で確認できるものはありませんが、国や東京都の動向を引き続き注視しながら情報収集し、活用できるものがあれば、積極的に対応していきたいと考えております。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、山本区長にお伺いします。
 これまでも、この改修に関しては、民間の力を活用することを検討するとの答弁がありました。しかし、これまで検討した報告書などが発表されていないので、検討状況に関しては、あまり情報がありません。
 全国の自治体では、民間の活力を使った事業は増えています。例えば、神奈川県厚木市では、文化会館をPFI事業で改修を行うことを決定しています。ここの大ホールは1,400席で、トリフォニーホールよりは少し小さい規模です。事業費は約45億円です。トリフォニーホールも15年程度のPFI事業でやれば、毎年の負担は少ないと思います。民間企業では、オリックスが公共施設の運営をやっており、ノウハウを持っています。新日本フィル交響楽団の理事長は、オリックスの宮内義彦さんです。山本区長に、宮内さんに会っていただき、PFI事業に関してアドバイスをもらってはいかがでしょうか。アドバイスをもらうだけなら、コンプライアンスの問題も生じないと思いますがいかがでしょうか。

◎区長(山本亨) 
 PFI事業の効果というのは、毎年の負担を減らすということよりも、改修費用の平準化という考え方があるのかと思います。お話に出た方とは、様々な機会を捉え、これまでも意見交換をさせていただいているところです。関係する団体等への聞き取り、これを引き続きさせていただいて、PFI事業の実施が有用であるかを検討した上で、その可否を判断してみたいと思っています。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、山本区長に大学との連携について質問します。
 今回、千葉大学のデザイン・インスティテュートの先生がデザインしたワクチン接種会場のデザインとホルダーのデザインが、国際的に大変有名な賞を受賞したと款別の際に伺いました。
 実は、今国際的にデザインが、単に見た目がよい、かっこいいだけではなく、社会の問題を解決したり人々の暮らしをよくする力があるということで、大変注目されています。これは、デザイン思考あるいはデザインシンキングと呼ばれています。今回のワクチン接種の会場やホルダーのデザインは、まさにその例だと思います。墨田区の大学誘致によってUDCすみだが設置されたことは、墨田区にとって大変大きな成果だと思います。
 ただ、墨田区のそれぞれの部局が、UDCすみだと協力する姿勢がないと、せっかくのUDCも絵に描いた餅になります。その面で区長のリーダーシップが必要ですが、どのように考えているのか伺います。
 また、iUとの連携ですが、現在はプログラミング学習を支援してもらう計画となっています。実は、iUは英語教育にも力を入れています。英語教育では、有名な安河内哲也先生が客員教授になっています。iUには、墨田区から用地を提供するなど、大きな支援をしています。そのために、iUからもプログラミング学習、英語教育という区民に関心の高い分野において、目に見える形で貢献してもらいたいと思います。その面で、英語教育でもiUからの支援をしてもらいたいと思いますが、山本区長のご見解を伺います。

◎区長(山本亨) 
 今ご指摘をいただきましたとおり、長年にわたり進めてきた大学誘致ですが、昨年の4月には情報経営イノベーション専門職大学、そして今年の4月には千葉大学墨田サテライトキャンパスが念願の開校となりました。
 今回のワクチン接種会場の誘導サインは、千葉大学の持つデザインの知見を活用し、共同事業として実施をさせていただきましたが、早速大きな成果を得ることができまして、私としても大変うれしく感じているところです。
 また、UDCすみだは、大学の知を持続可能な地域の活性化に生かして、公民学連携による大学のあるまちづくりを推進する母体として設立いたしました。これまでに、文花・京島エリアの未来ビジョン策定に向けたアーバンデザインアイデアコンペや、キックオフシンポジウムなどの活動を進めていまして、徐々に活動の幅を広げていこうと考えています。本区としても、UDCすみだとの協働や継続的な支援を通じて、様々な地域課題の解決を図っていきたいと考えていまして、今後の活動に期待をし、そして注視していきたいと思っています。
 もう一点、iUは、今ご紹介をいただいた先生をはじめ、多様な分野の400名を超える教員の方々を擁しているというふうに聞いています。これら大学の知見を活用し、現在は、お話にあったプログラミング教育に係る教員研修や高齢者向けのスマホ教室等での事業連携を進めています。
 ご指摘の英語教育、こちらも今日のグローバル化の時代に特に重要であると認識していまして、今後はICT分野だけでなく、同大学の3本柱というふうに言われていますICT、ビジネス、グローバルコミュニケーション、この知見を幅広く区民に還元できるように、協議を進めてまいりたいと思います。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、児童虐待の問題についてお伺いします。
 頂いた資料72には、令和2年度における子育て支援総合センターから、江東児童相談所への送致件数が載っています。それを見ると、令和2年度では4件の送致です。コロナの影響もあり、少ないかと思います。令和元年度、平成30年度の送致件数と内容を教えてください。

◎子育て支援総合センター館長(坂田勝彦) 
 児童相談所への送致件数は、令和元年度は1件、平成30年度はゼロ件でしたので、令和2年度は増えています。
 児童相談所に送致する例としましては、医学的、心理学的な判定等が必要な場合や、一時保護、立入調査など、児童相談所の機能や法的権限が必要であると判断したり、これを求める場合ですが、これまでに子育て支援総合センターから児童相談所に送致した内容は、強い育児疲れ、育児不安など、保護者に身体上又は精神上の課題がある場合や、不適切な育児状態にあると判断した児童を、一時保護所等で保護することを求めたものが主なものとなっています。

◆委員(井上ノエミ) 
 2年間で1件しかないとは、送致件数が非常に少ないと思います。送致の理由ですが、公権力の行使が必要な場合には仕方がないと思います。しかし、専門家の診断が必要なケースでは、専門家の協力があれば、墨田区内でもできるように思います。また、今後、子育て支援総合センターが移転した後には、体制が強化されることを期待します。そうなれば、これまで児童相談所に送致されたケースも、墨田区で対応できるかもしれません。
 そこで、公権力の行使を行う児童相談所にケースを送致するよりは、相談や指導により虐待を予防することが大変重要だと思います。育児が負担になり、虐待を行う親が多いと推測しますので、強制的な一時保護ではなく、一時的に子どもを預かる子育て支援サービスにより、虐待を予防できる場合もあると思います。墨田区では、乳児、幼児、児童の場合に、一時的に子どもを預ける場合には、どこに委託しているのか教えてください。短期間、長期間の場合、それぞれの場合について教えてください。

◎子育て支援総合センター館長(坂田勝彦) 
 委員ご指摘のとおり、相談や指導により虐待を予防することが重要ですので、まずは通告等により、子育て支援総合センターで受理となった家庭に対しては、相談、指導などを組織として対応しています。
 また、保護者が児童を養育することが一時的に困難になった場合など、子どもの預け先として短期の委託先は、乳児については主に乳児院、幼児や児童については児童養護施設や協力家庭に委託しています。
 なお、長期間の預け先となりますと、どれだけの期間児童を預かるのかという判断もありますので、児童相談所へ送致という形で対応しています。

◆委員(井上ノエミ) 
 子どもたちが区外の乳児院や児童養護施設に預けられるのではなく、家庭的な環境のある区内の場所に預けられるのが理想だと思います。その意味で、短期的に子どもを預かってくれる里親を増やしていく必要があると思います。
 次に、山本区長に、児童虐待と児童相談所についてお伺いします。
 虐待については、ハイリスクのケースを早期に見つけることや、子どもの一時預かりのような子育て支援サービスを提供して、虐待を防止することが大事だと思います。その意味で、まず、子育て支援総合センターの体制を強化する必要があると思いますが、ご見解を伺います。
 また、墨田区として、児童相談所を設置するかどうかは、その後で検討すればよいと思いますが、区長のご見解を伺います。

◎区長(山本亨) 
 まず、体制の強化ということにつきまして、児童虐待件数が全国的にも年々増加する中、児童虐待に対応できる人材を育成するため、職員の児相への派遣を進めるとともに、新保健施設への移転を見据え、相談体制の充実策として、心理職等の専門職や児相OBなどを児童虐待対応強化専門指導員として、子育て支援総合センターに配置しています。子育て支援サービスの充実という点と、児童虐待防止の取組、これは車の両輪とも言えるわけで、今後もその中心的な役割を担う子育て支援総合センターの体制強化を進めていきたいと思います。
 また、区としての児童相談所設置に関しましては、新保健施設等複合施設の機能を活用し、そこへ移転を予定している子育て支援総合センターにおける子育て支援サービスの充実、児童虐待防止の取組の強化等の検討なども必要と考えており、改めて11月議会で、区の方向性について報告をさせていただきたいと考えています。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、加藤教育長に伺います。
 款別のときに、不登校・いじめ対策について伺いましたが、小学校で不登校児童が増えていることを大変心配しています。学校の体制が最近の子どもたちに合わなくなってきているのでしょうか。学校にいつでも登校できるクラスをつくって、個別指導をして成果を上げている学校もあると聞いています。子どもを学校に合わせるのは難しいですから、学校が対応していく必要があるように思います。小学校の不登校児童は、中学校でも不登校になりやすいと思います。加藤教育長は、この問題の原因をどのように考えているのか、また、その対策として、何ができるのか伺います。

◎教育長(加藤裕之) 
 不登校の原因については、人間関係の悩みや家庭の環境、それから集団への不適応などの要因があり、またこれらが複合していることが多く、原因の解明やフォローが長期化するケースが見られます。また、一度不登校から学校へ復帰した小学生が、中学校進学後に何かのきっかけで、また不登校になってしまうというケースもあります。
 学校側に求められるのは、児童生徒に対してよりきめ細かく対応していくことが必要であると考えます。不登校の長期化や再発を防ぐためには、小学校から中学校への円滑な接続が大切であると考えます。そのため、小学校においては、引継ぎシートというのをつくって、不登校になったときの小学校での対応だとか児童の様子を、丁寧に教え、またどうしたときに復帰したかということについて、中学校へそういった情報を提供して、中学校では具体的にその子に合った対応策を考えるようにしています。
 さらに、ステップ学級、サポート学級の活用や児童館など区の関係機関、フリースクールなど関係民間施設の連携により、児童生徒の学校復帰や社会的な自立につながる支援を充実してまいります。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、款別で伺った就学援助について伺います。
 申請世帯数の10%が認定されなかったことに驚きました。私は、申請者の問題というよりは、募集する教育委員会のやり方に問題があると思います。申請の基準や方法について、明確に説明して、それが理解されているのでしょうか。申請者に対して、十分なサポートをしているのかなどが問われます。是非来年はこのようなことがないようにしていただきたいと思いますが、ご見解を伺います。

◎教育長(加藤裕之) 
 就学援助制度の申込み基準や方法については、小中学校の全保護者に認定基準の目安を示したパンフレットを配布して、周知を図っています。申請の前に保護者の方から、自分は該当するかというような問合せが教育委員会のほうへ多く来ます。それについては、書類とかいろいろなものがないと判断できませんので、教育委員会としては、十分に説明した上で、申請をしてもらいます。そのために非認定となる方が生じてしまう場合もあります。ただ、なるべく申請してもらう方向で調整をしていますので、1割程度の方が認定されないという結果になっているということです。
 また、書類が不備の方もいらっしゃいますので、そういう方については、3回は通知によって請求をして、さらに電話で請求をして手続につなげているという実態があります。
 また、年度途中の転入者や外国籍の方には、学校と連携して個別に就学援助の制度を説明して、申請を促進しています。引き続き丁寧な対応で、就学援助を必要としている方に対応してまいります。

○委員長(佐藤篤) 
 以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。

○委員長(佐藤篤) 
 委員会を再開いたします。
 これより、委員間討議を行います。
 順次、意向を確認いたします。
 初めに、新しいすみだは委員間討議の意向がありますか。

◆委員(井上ノエミ) 
 ありません。

○委員長(佐藤篤) 
 それでは、発言願います。井上委員から、簡潔にお願いします。

◆委員(井上ノエミ) 
 いずれについても賛成です。

○委員長(佐藤篤) 
 それでは、各会派からご意見をいただきたいと思います。井上委員からお願いします。

◆委員(井上ノエミ) 
 私は外国人ですから、もちろん日本でいろいろな問題があります。でも、私は外国人を応援します。